電車を待っているとき、階段を降りているとき、ふと足元がふわふわと浮くような感覚に襲われることはありませんか。回転性のめまいのようにぐるぐると景色が回るわけではないのに、地面がスポンジの上を歩いているように頼りなく感じられ、まっすぐ歩いているつもりでも体が左右にぶれてしまう気がする。そんな状態が数日、あるいは数週間続くと、電車のホームや人混みが怖くなり、外出そのものが億劫になってしまう方も少なくありません。パソコン作業中にふと画面の文字がぼやけて見えたり、立ち上がった瞬間に一瞬視界が揺れたりして、そのたびに何か重い病気なのではと不安になり、検査を受けても異常が見つからないまま、どう向き合えばよいのか分からずに不安だけが募っていく、というお話もよく伺います。
こんにちは。名古屋駅近くで「きりん接骨院 名駅院」を運営している柔道整復師の三ツ村崚聖です。施術歴20年以上・延べ11万回以上の中で、こうしたふわふわするめまいのご相談を数多くお受けしてきました。この記事では、回転性めまいとの違いから、ふわふわ感が起こる背景にある要因、ご自宅でできるセルフケア、そしてやりがちな間違いまでを、できるだけ分かりやすくお伝えしていきます。
ふわふわするめまいとは
回転性めまいとの違い
めまいには大きく分けて、景色や自分自身がぐるぐる回るように感じる回転性めまいと、体がふわふわ浮くような、あるいは地面が揺れているような感覚が続く浮動性めまいがあるといわれています。回転性めまいは内耳のトラブルと関連することが多いとされる一方、浮動性めまいは首や肩の緊張、自律神経のバランス、循環の状態など複数の要因が絡み合って生じると考えられています。ご自身では判断がつきにくいと感じる場合は、症状が起きたときの状況や持続時間をメモしておくと、後で振り返る際の手がかりになります。どちらのタイプかによって体への向き合い方も変わってくるため、まずはご自身の症状がどちらに近いのかを整理してみることが最初の一歩になります。
浮動性めまい(ふわふわ感)の特徴
浮動性のめまいは、じっとしているときよりも歩いているときや立ち上がったときに感じやすいという特徴があるといわれます。強い吐き気を伴うことは比較的少なく、代わりに頭が重い、目の奥が疲れる、集中力が続かないといった症状を併せ持つ方も見られます。天気の変わり目や疲労が蓄積したタイミングで症状が強く出やすいと感じる方も多く、体調のリズムと連動している印象を受けることもあります。
検査を受けても「異常なし」と言われるケースが多いのも、この浮動性めまいの特徴のひとつです。これは異常が本当にないというより、検査の対象になりにくい筋肉やファシア、自律神経のバランスといった部分に背景があるためではないかと当院では考えています。検査で異常が見つからないと、かえって「では何が原因なのか」と不安が深まってしまう方も少なくありません。実際に検査で異常が見つからなかった方の体験については、めまいの検査で異常なしと言われた方に向けた記事でも詳しく触れていますので、あわせてご覧ください。
医療機関の受診が必要なケース
ふわふわするめまいの多くは首肩の緊張や自律神経、循環の乱れと関連すると考えられていますが、中には医療機関での診察が必要な場合も含まれます。ろれつが回らない、片側の手足にしびれや脱力がある、これまで経験したことのない激しい頭痛がある、物が二重に見える、聞こえが急に低下した、意識を失いそうになる、といったサインがある場合は、自己判断で様子を見ずにすぐに医療機関を受診してください。私たちは医師ではないため、病気の診断はできません。まずは体の状態を確認していただくことが何より大切です。
ふわふわするめまいの原因
首肩のこわばりとファシアの滑走障害
デスクワークやスマートフォンの操作で頭が前に出た姿勢が続くと、首や肩まわりの筋肉が常に緊張した状態になりやすいといわれています。筋肉やその周囲を包むファシア(筋膜)は本来なめらかに滑りながら動くものですが、緊張が続くとこの滑走に制限がかかり、関節の細やかな動きが出しにくくなることがあります。首まわりには体のバランス感覚に関わる情報を伝える組織が集まっているため、この滑走障害がふわふわ感につながっている可能性があると当院では捉えています。肩こりとめまいの関係については肩こりとめまいの関連を解説した記事でも取り上げていますので、参考にしていただければと思います。
自律神経の乱れ
自律神経は血管の収縮や心拍、消化など体のさまざまな働きを調整していますが、ストレスや睡眠不足、不規則な生活が続くとこのバランスが崩れやすくなるといわれています。自律神経が乱れると血管の収縮や拡張がうまく切り替わらず、脳への血流が一時的に不安定になり、ふわふわとした感覚として現れることがあると考えられています。緊張しやすい方や、常に気を張って過ごしている方に浮動性めまいの相談が多い印象があるのも、こうした背景と関連しているのかもしれません。真面目な性格で責任感が強く、頑張りすぎてしまう傾向のある方ほど、自覚しないまま自律神経に負担をかけていることもあるようです。
血流・リンパなど循環の滞り
長時間同じ姿勢でいることや運動不足が続くと、全身の血液やリンパの流れが滞りやすくなります。特に首から肩、後頭部にかけての循環が滞ると、平衡感覚に関わる部位への酸素や栄養の供給が不安定になり、ふわふわ感として自覚されることがあると考えられています。冷え性やむくみを併せ持つ方に、こうした浮動性めまいが見られることも少なくありません。デスクワーク中心の生活で歩く機会が減っている方は、下半身の筋肉のポンプ作用も働きにくくなり、全身の循環がさらに滞りやすくなっているとも考えられます。
ふわふわするめまいへの対処法
自宅でできるセルフケア
症状が強いときは無理に動かず、まずは楽な姿勢で座るか横になり、深呼吸を繰り返して落ち着くのを待つことをおすすめします。落ち着いてきたら、首や肩をゆっくり回す、肩甲骨を寄せるように動かすなど、無理のない範囲で軽く体を動かすことも循環を促す助けになると考えられます。こまめな水分補給も、血流のめぐりをサポートする意味で意識していただきたいポイントです。症状が出ているときに急に振り向いたり視線を素早く動かしたりすると、ふわつきが強まることがあるため、動作はできるだけゆっくり行うことを心がけてください。
生活習慣の見直し
スマートフォンやパソコンを長時間見続けると、首の前傾姿勢が固定され、目の疲労も重なって症状が出やすくなるといわれています。1時間に一度は画面から目を離し、遠くを見たり軽く伸びをしたりする時間を作ることが望ましいでしょう。湯船にゆっくり浸かって体を温める習慣も、循環と自律神経の両方によい影響が期待できるといわれています。睡眠の質を整えることも自律神経の安定につながると考えられており、就寝前のスマートフォン使用を控えるなど、できることから少しずつ取り入れていただければと思います。
当院のアプローチ|FJAと姿勢循環整体
当院では、ふわふわするめまいを単なる部分的な不調ではなく、体全体の動きのエラーとして捉える「FJA」という評価・施術法を用いています。関節がどう動いているか、ファシアの滑走に制限がないか、神経の働きは保たれているかを丁寧に確認しながら、強い刺激やバキバキと鳴らすような矯正ではなく、適切な刺激によって体本来の反応を引き出すことを大切にしています。加えて、筋骨格・内臓・神経・体液のつながりをひとつのユニットとして捉える「姿勢循環整体」により、全身の姿勢と血流・リンパなどの循環を整えていきます。細部を診るFJAと全体を整える姿勢循環整体、この両輪を組み合わせることで、体が本来持っている自然に整おうとする力を引き出す環境づくりを目指しています。
ご来院いただいた方の一例
40代で事務職に就いている女性の方が、数週間続くふわふわ感を訴えて来院されたことがあります。姿勢を確認すると首が前に出て肩がすくんだ状態が続いており、首から後頭部にかけてのファシアの滑走にも制限が見られました。FJAによる評価をもとに関節と神経の働きに働きかけつつ、姿勢循環整体で全身の循環を整える施術を数回にわたって行ったところ、「以前より足元がしっかりする感覚が増えてきた」とお話しされていました。なお経過には個人差があり、すべての方に同じ変化をお約束するものではないことをあらかじめご了承ください。
ふわふわするめまいでやりがちな間違い
自己判断で放置してしまう
「そのうち治まるだろう」と自己判断で放置してしまうと、緊張した姿勢や生活習慣がそのまま続き、症状が長引きやすくなる可能性があります。放置している間に不安だけが積み重なり、外出や仕事への意欲まで下がってしまったというお話を伺うこともあります。特に危険なサインが見られない場合でも、気になる症状が続くようであれば、早めに専門家へ相談することをおすすめします。
強い刺激のマッサージや過度な安静
肩こりを感じて強い力でもみほぐしたり、逆に不安から必要以上に体を動かさず安静にしすぎたりすることも、あまりおすすめできません。強い刺激は筋肉やファシアをかえって緊張させてしまうことがあり、過度な安静は循環の滞りを助長してしまう場合があると考えられています。「痛いくらい強く押してもらった方が効く」というイメージをお持ちの方もいらっしゃいますが、体にとっては必ずしもよい刺激とはいえない場合があります。適度に体を動かしながら、必要な部分にはやさしい刺激で働きかけるバランスが大切です。
情報収集だけで行動に移さない
インターネットでさまざまな情報を集めることは大切ですが、情報を集めるだけで実際の行動に移せないまま時間だけが過ぎてしまう方も多く見られます。情報の中には人によって当てはまらないものも含まれており、かえって何が正しいのか分からなくなってしまうケースもあるようです。ご自身の体の状態に合った対処を知るためにも、一度専門家に体を見てもらうことを検討していただければと思います。
まとめ
この記事のポイント
- ふわふわするめまいは、景色が回る回転性めまいとは異なり、地面が揺れるような浮動性の感覚が続くものと考えられています
- 首肩のこわばりによるファシアの滑走障害、自律神経の乱れ、血流・リンパなど循環の滞りが背景にある可能性があります
- ろれつが回らない、片側の手足のしびれや脱力、激しい頭痛などのサインがあるときはすぐに医療機関を受診してください
- セルフケアや生活習慣の見直しに加えて、体全体の状態を専門家に確認してもらうことも選択肢のひとつです
ご来院のご案内
きりん接骨院 名駅院は名古屋駅から徒歩3分の場所にあります。お仕事帰りやお買い物のついでにも立ち寄りやすい立地ですので、まずは体の状態を確認するつもりでお越しいただくことも可能です。ふわふわするめまいでお悩みの方は、おひとりで抱え込まず、お気軽にご相談ください。
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