起立性調節障害で楽しみな日は起きられるのは仮病ではない理由を解説する記事のアイキャッチ

学校の日は何度起こしても起きられないのに、遠足や友達と遊ぶ日、推しのイベントの日は自分から起きてくる。その姿を見て、「本当は起きられるんじゃないの?」「仮病なのでは」と思ってしまった。そして、そう思ってしまった自分に罪悪感を抱えている。この記事は、そんなご家族のために書いています。

こんにちは。名古屋駅近くで「きりん接骨院 名駅院」を運営している柔道整復師の三ツ村崚聖です。施術歴20年以上・延べ11万回以上の臨床で、起立性調節障害のお子さんとご家族に数多く向き合ってきましたが、この「楽しみな日は起きられる問題」は、ほぼすべてのご家庭が一度は通る悩みです。先に結論をお伝えします。仮病ではありません。そして、体の仕組みで説明がつきます。

「楽しみな日は起きられる」に疑いを持ってしまう前に

多くの家族が同じ疑問を持ちます

「遊びには行けるのに学校には行けないなんて、都合が良すぎる」。そう感じるのは自然なことです。実際、この疑問をきっかけに家族の空気が張り詰め、本人が「誰も分かってくれない」と心を閉ざしてしまうケースを、私は何度も見てきました。

だからこそ、仕組みを知ってほしいのです。疑いは知識で解けます。そして家族の理解こそが、起立性調節障害の回復にいちばん効く環境づくりです。

結論:仮病ではなく、自律神経の仕組みで説明できます

起立性調節障害は、朝に交感神経が立ち上がらず、血圧が上がらないために起きられない症状です。ポイントは、交感神経の立ち上がりは「気合い」では動かせないが、「感情」には反応するということです。楽しみな日に起きられるのは、意志が強いからでも、普段さぼっているからでもなく、感情が自律神経を助けているだけなのです。

なぜ楽しみな日は起きられるのか

ワクワクが交感神経を立ち上げる

楽しみな予定がある朝、体の中では期待感によってアドレナリンなどのホルモンが分泌され、交感神経が普段より強く働きます。つまり、血圧を上げるためのアクセルを、感情が代わりに踏んでくれている状態です。普段は上がらない血圧が、この日だけは上がる。だから起きられるのです。

これは本人が意図的にコントロールできるものではありません。「楽しみな日は起きられるのに」と責めるのは、「アドレナリンを毎朝自分で出せ」と言っているのと同じことなのです。

学校の朝は、逆のことが起きている

一方、学校の日の朝はどうでしょうか。遅刻の焦り、授業や人間関係の緊張、「また起きられなかった」という自己嫌悪。実はプレッシャーやストレスも交感神経を刺激しますが、慢性的なストレスはむしろ自律神経全体のバランスを崩し、朝の立ち上がりをさらに悪くする方向に働きます。

楽しみはアクセルを踏み、プレッシャーはエンジンそのものを疲れさせる。同じ「刺激」でも、働き方が逆なのです。学校の日に起きられないのは、学校が嫌いだからとは限らず、体がいちばん正直に消耗を表しているだけかもしれません。

「起きられた日がある」ことは、回復の材料になります

視点を変えると、楽しみな日に起きられるという事実は、体の器官に重い問題がなく、条件がそろえば血圧を立ち上げられる力が残っていることを示しています。これは悲観する材料ではなく、希望の材料です。

その日の就寝時刻、前日の過ごし方、朝の気温、水分。起きられた日の条件を観察してメモしておくと、「この子の体が立ち上がりやすい条件」が見えてきて、回復への手がかりになります。

家族ができる受け止め方と対応

責める材料にしない

「遊びに行けたよね」を、学校を休むことへの反論材料に使わないでください。本人は誰よりも「なんで自分は普通にできないんだろう」と苦しんでいます。そこに最も近い家族からの疑いが加わると、症状のストレス要因がひとつ増えるだけの結果になります。

楽しみを罰として取り上げない

「学校に行けないなら遊びも禁止」としたくなる気持ちは分かります。しかし、楽しみは数少ない「自律神経が正常に立ち上がる成功体験」であり、回復のリハビリでもあります。取り上げると、成功体験と気晴らしを同時に失い、心身ともに沈む方向へ働きがちです。もちろん夜更かしにつながる遊び方の調整は必要ですが、「罰として禁止」は避けてください。

起きられた日を、次につなげる

楽しみな日に起きられたら、「起きられたね」とそのまま喜んでください。そして、その日の条件をさりげなく観察する。責める材料ではなく、データとして使う。この姿勢の違いを、お子さんは敏感に感じ取ります。

やりがちな間違い

「遊びに行けるなら学校も行けるはず」と迫る

ここまで見てきたとおり、感情がアクセルを踏んだ日と普段の日では、体の条件が違います。論理的に見える詰め方ですが、前提が違うので本人には「分かってもらえない」としか届きません。

楽しみを制限して「公平」にしようとする

「学校に行っている子と同じにするのが公平」という考え方は、症状のある体には当てはまりません。回復に必要なものを残すことと、甘やかしは別のものです。

本人の罪悪感を放置する

実は本人も「遊びの日だけ起きられる自分」に罪悪感を抱えていることが多いのです。「ずるいわけじゃなくて、体の仕組みなんだって」と家族の側から言葉にしてあげると、本人が自分を責める材料がひとつ減ります。この記事を、そのままお子さんやご家族に見せていただいても構いません。

まとめ|疑いは知識で解けます

きりん接骨院 名駅院のアプローチ

当院では、起立性調節障害を体の側から支えます。FJAという評価法で胸郭・背骨・首まわりの動きのエラーを確認して整え、姿勢循環整体で全身の姿勢と血流・リンパの流れを整える、やさしい刺激の施術です。「楽しみな日は起きられる」お子さんの体には、立ち上がる力が残っています。その力が毎朝働ける体の条件を、一緒につくっていきましょう。詳しい家庭でのサポートは起立性調節障害の子に親ができることの記事を、高校生特有の事情は高校生の起立性調節障害の記事をご覧ください。

この記事の要点

  • 楽しみな日に起きられるのは仮病ではなく、感情が交感神経のアクセルを踏んでいるから
  • プレッシャーは逆に自律神経を消耗させ、朝をさらにつらくする
  • 起きられた日があることは、回復できる力が残っている証拠
  • 楽しみを罰として取り上げず、起きられた日の条件をヒントにする
  • 本人も罪悪感を抱えている。「体の仕組み」と家族が言葉にしてあげる

ご家族の疑問ごと、ご相談ください

きりん接骨院 名駅院は名古屋駅から徒歩3分。お子さんの体の評価とあわせて、ご家族が抱えている疑問や不安にも丁寧にお答えします。保護者の方だけのご相談も歓迎です。

他の症状の記事も探したい方は、症状から記事を探すページもご覧ください。