「朝、何度起こしても起きられない」「遅刻や欠席が増えて、このまま学校に行けなくなるのではと不安になる」。お子さんの朝が心配で、この記事にたどり着いた保護者の方も多いのではないでしょうか。夜は普通に元気だからこそ、最初は怠けや夜更かしを疑ってしまい、叱ってしまった罪悪感を抱えている方も少なくありません。
こんにちは。名古屋駅近くで「きりん接骨院 名駅院」を運営している柔道整復師の三ツ村崚聖です。施術歴20年以上・延べ11万回以上の施術のなかで、起立性調節障害と診断されたお子さんと、その保護者の方に数多く向き合ってきました。この記事では、朝起きられない理由を体の仕組みから解説したうえで、親として今日からできるサポートと接し方を具体的にお伝えします。
朝起きられないのは怠けではない|起立性調節障害とは
起立性調節障害の主な症状とチェックポイント
起立性調節障害は、思春期のお子さんに多くみられる自律神経の働きの乱れによる状態です。次のような様子に心当たりはないでしょうか。
- 朝、何度起こしても起き上がれない。起きても午前中は調子が悪い
- 立ち上がった時に立ちくらみやめまいがする
- 朝に頭痛や腹痛、吐き気を訴える
- 顔色が悪く、食欲がない。入浴でのぼせやすい
- 夕方から夜にかけては元気になり、夜はなかなか寝つけない
複数当てはまる場合は、起立性調節障害の可能性があります。中学生前後のお子さんではめずらしくない状態で、決して特別なことでも、育て方のせいでもありません。
夜は元気なのに朝だけ起きられない理由
人の体は、朝になると自律神経が交感神経に切り替わり、血圧を上げて脳に血液を送り、活動モードに入ります。起立性調節障害のお子さんは、この切り替えがうまく働かず、朝に血圧が十分上がりません。脳への血流が足りない状態で起きようとしても、体がついてこないのです。
つまり「起きられない」のは、気持ちの弱さや怠けではなく、体の仕組みの問題です。逆に夕方以降は自律神経が働きやすくなるため元気になります。この「夜は元気」こそが誤解を生みやすいのですが、症状の特徴そのものだと知っておくことが、お子さんを守る第一歩になります。
まずは小児科・専門医の受診を(診断と安全性の確認)
朝起きられない状態が続く場合は、まず小児科や起立性調節障害の専門外来を受診してください。似た症状を示す別の病気がないかを確かめ、診断を受けることが出発点になります。診断があると、学校への説明もぐっとしやすくなります。
私たちは医師ではないため、診断はできません。当院にご相談いただく場合も、医療機関での確認を前提としたうえで、体の側から回復を支えるという役割分担で関わらせていただいています。
起立性調節障害はなぜ起こる?|自律神経と循環から見た原因
自律神経の切り替えと血圧調整が追いつかない成長期の体
思春期は、身長が一気に伸び、体が大きく変わる時期です。心臓から脳までの距離が伸び、血液を押し上げるのに必要な力も増えるのに、それを調整する自律神経の発達が追いつかない。起立性調節障害の背景には、こうした成長期特有のアンバランスがあります。
ホルモンバランスの変化も自律神経に影響します。つまり、体が大人へ変わる過程で誰にでも起こりうる、通過点としての側面があるのです。適切に支えれば、体の成長とともに整っていくことが期待できる状態だということは、保護者の方にぜひ知っておいていただきたい点です。
なお、起立性調節障害は思春期だけのものではなく、大人にも起こります。保護者の方ご自身の朝のつらさが気になる場合は、大人の起立性調節障害の記事をご覧ください。
生活リズム・ストレス・環境の変化が重なる影響
進級やクラス替え、部活動での人間関係、受験へのプレッシャー。心のストレスは自律神経に直結し、症状を強めることがあります。春から夏にかけて悪化しやすいのも、環境の変化と気温上昇が重なるためと考えられています。
睡眠リズムの乱れも影響しますが、注意したいのは「夜更かしが原因」と単純に決めつけないことです。夜に交感神経が高ぶって寝つけないのは症状の一部でもあり、原因と結果が絡み合っています。生活リズムは整える価値がありますが、それだけで解決しないことも多いのです。
猫背・スマホ姿勢が循環の乱れに拍車をかける
当院が特に注目しているのが、姿勢と循環です。背中が丸まり頭が前に出た姿勢では、胸郭が圧迫されて呼吸が浅くなります。呼吸は横隔膜のポンプ作用で血液やリンパを心臓に戻す働きを支えているため、浅い呼吸は「血液を上へ押し上げる力」をさらに弱めてしまいます。
運動不足でふくらはぎの筋力が落ちることも、下半身にたまった血液を戻す力の低下につながります。朝に血圧が上がりにくい体質に、姿勢と循環の問題が拍車をかける。朝の頭痛やだるさが強いお子さんには、この悪循環が起きていることが少なくありません。
「動きのエラー」として見るFJAの視点
当院では、体の不調を「構造の異常」ではなく「動きのエラー」として捉えるFJAという考え方で評価します。胸郭や背骨の関節の主運動・副運動、呼吸に関わる組織の滑走、神経による制御。検査の数値には表れない部分に、循環を妨げるエラーが隠れていることがあるのです。
エラーの場所が分かれば、整える道筋が見えます。「様子を見ましょう」と言われて待つだけではなく、体の側からできることがある。これが私たちの立場です。
親ができること|今日から家庭でできるサポート
朝の声かけ——責めない・比べない・急かさない
いちばん大切なのは、「起きたいのに起きられない」がこの症状の本質だと家族が理解することです。「なんで起きられないの」「みんなは行ってるよ」という言葉は、本人がいちばん自分に向けている言葉でもあります。責められるほど自己嫌悪が深まり、ストレスで自律神経はさらに乱れます。
おすすめは、事実の共有と小さな選択肢の提示です。「今日は体調どう?」「カーテン開けるね」「10分後にもう一回声かけるね」。責めるのでも放置するのでもなく、本人が自分のペースで起きられる環境をつくる声かけを心がけてみてください。
起き上がり方・水分と塩分・朝日の浴び方の工夫
体の面では、次の工夫が知られています。
- 目が覚めたら、布団の中で足首を動かし、手足をグーパーしてから、ゆっくり座る→立つの順で起きる(急に立ち上がらない)
- 朝いちばんにコップ1杯の水分をとる。日中も水分と塩分を意識的に補う
- カーテンを開けて朝日を部屋に入れ、体内時計に朝を知らせる
- 日中に軽い散歩やストレッチなど、無理のない範囲で体を動かす
- 夜は入浴で温まり、寝る前のスマホ時間を少しずつ減らす
どれも小さなことですが、血圧と自律神経の立ち上がりを助ける積み重ねになります。全部を完璧にやろうとせず、できそうなものから一つずつで大丈夫です。
学校との連携と「休ませ方」の考え方
担任の先生や養護の先生に、診断や体の状態を共有しておくことをおすすめします。「怠けではなく体の症状」という共通理解があるだけで、遅刻して登校する、保健室を経由するといった選択肢が取りやすくなり、本人の心理的な負担が大きく減ります。
休ませることに罪悪感を持つ保護者の方は多いのですが、症状が強い日に無理をさせて自信を失うより、回復を優先して休ませる判断が必要な時期もあります。「学校に行けたかどうか」ではなく「体調が整ってきているか」を軸に見てあげてください。
高校生のお子さんの場合は、出席日数・進級という現実的な課題が加わります。高校生ならではの対応は高校生の起立性調節障害の記事で詳しく解説しています。
親自身が抱え込まないことも大切なサポート
お子さんの症状が長引くと、保護者の方自身が疲れ、眠れなくなってしまうケースを本当によく見かけます。しかし、親の焦りや不安はお子さんに敏感に伝わります。親が安心していることは、それ自体がお子さんへのサポートです。
学校、医療機関、私たちのような施術者。頼れる先を複数持って、一人で抱え込まないでください。当院では、まず保護者の方だけでお話を聞きに来ていただくことも歓迎しています。
なお、部活動を頑張るお子さんの膝の痛みについては、同じ保護者向けの記事としてオスグッドで部活は休むべきか?判断の目安と親ができることの記事で解説しています。
起立性調節障害の対応でやりがちな間違い
「気合いで起きなさい」と叱ってしまう
繰り返しになりますが、朝起きられないのは血圧と脳血流の問題であり、気合いでは解決できません。叱責は症状を変えないばかりか、自己肯定感を下げ、ストレスで自律神経の乱れを深めます。
すでに叱ってしまった方も、ご自身を責めないでください。仕組みを知らなければ誰でも誤解する症状です。今日から関わり方を変えれば十分です。
また、「楽しみな日は起きられるのに」と疑ってしまった時は、楽しみな日は起きれるのはなぜ?の記事を読んでみてください。仮病ではない理由が、体の仕組みで分かります。
夜更かしだけが原因だと決めつける
「早く寝れば朝起きられるはず」と就寝時刻ばかりを管理すると、寝つけない本人をさらに追い詰めることがあります。夜に眠れないのは症状の一部でもあるからです。
就寝時刻を叱るのではなく、朝日・日中の活動・入浴・スマホとの付き合い方など、眠りやすくなる環境を一緒に整えていく姿勢が有効です。
親の不安といら立ちを子どもの前でぶつけてしまう
「いつまで続くの」「進級できるの」という不安は当然のものです。ただ、その言葉を本人の前で口にすると、お子さんは「自分のせいで親を苦しめている」と受け取ってしまいます。
不安は、お子さんのいない場所で、パートナーや専門家に向けて出してください。そのための相談先として、私たちを使っていただいて構いません。
まとめ|家庭と体の両方から、お子さんの回復を支えられます
きりん接骨院 名駅院のアプローチ(FJA+姿勢循環整体)
当院では、FJAで胸郭・背骨・首まわりの動きのエラーを丁寧に評価して局所を整え、そのうえで姿勢循環整体によって全身の血流・リンパの流れと姿勢のバランスを整えます。体はひとつのユニットです。朝起き上がるための「血液を押し上げる力」を、体の側から支えていきます。強い刺激の施術ではないので、お子さんにも安心して受けていただけます。
整体・接骨院に何ができて何ができないのかを詳しく知りたい方は、起立性調節障害に整体はどう?の記事にまとめています。
以前来院された中学2年生の女の子は、朝の頭痛と立ちくらみで遅刻が続き、お母さまが心配して一緒にいらっしゃいました。胸郭と首の調整、全身の循環を整える施術を重ね、家庭では起き上がり方と水分の工夫を続けてもらったところ、数週間後には「朝起きられる日が少しずつ増えてきた」とお母さまが報告してくださいました。経過には個人差があり、同じ変化をお約束するものではありませんが、家庭のサポートと体へのアプローチを組み合わせることの意味を、日々の臨床で感じています。
この記事の要点のおさらい
- 朝起きられないのは怠けではなく、自律神経と血圧調整の問題
- まずは小児科・専門医の受診で診断と安全確認を
- 声かけは「責めない・比べない・急かさない」
- 起き上がり方・水分と塩分・朝日・軽い運動を、できるものから少しずつ
- 学校と連携し、「行けたかどうか」ではなく「整ってきているか」で見守る
- 姿勢と循環という、体の側から支える選択肢もある
保護者の方だけのご相談も歓迎です
起立性調節障害は、本人も家族も長い時間を過ごすことになりやすい症状です。だからこそ、抱え込まず、頼れる先を増やしてください。お子さんを連れて行く前に、まず保護者の方だけで話を聞きたいというご相談も歓迎しています。
きりん接骨院 名駅院は名古屋駅から徒歩3分。学校帰りや土曜日にも通いやすい立地です。お子さんの体で何が起きているのかを丁寧に評価し、ご家庭でできることとあわせて分かりやすくお伝えします。
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